なぜ建築「確認」申請といい、許可申請ではないのか

<GA 小林>

 家を建てるとき、どうして建築「確認」申請なのか、という疑問をもってしまいます。
 なぜ「確認」であって、「許可」ではないのかという問題。

 家をつくるとき、ほとんどの場合、役所に届けを出さなくてはなりません。それを建築「確認」申請といいます。
 「確認」というところがミソです。

 よく・・・
 「「許可」が降りた」 「許可が出たので家を建てることができる」
と言っていますが、正確には「確認」が降りたのであって、「許可」が降りたのではありません。

 「確認」申請と、「許可」申請は何が違うのか?

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 ● 「確認申請」
 提出された図面や書類が合法であるか否かを役所が書類上で「確認する」もの。
 だから、完成した建物の違反に関して、役所は原則関係がないのです。

 ● 「許可申請」
 やってはいけないことを許可する申請。
 例えば、道路は誰でもが勝手に掘削をしては困るので、役所は許可を出して掘削をさせています。
 
 もし掘削によって道路が陥没したら、工事業者も悪いけれど、許可を出した役所も責任を問われます。
 でも、「役所が図面を確認すればよい、申請」である住宅は、「許可申請」ではないので、できあがった家に対して役所はまったく責任を取る必要がありません。
 それは、役所が書類上で「確認行為」を行っただけで、住宅の完成形には、責任を取らなくても良いシステムになっているからです。

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 だから、日本中に違反建築や欠陥建築が横行しているのです。(前回のblogでも採りあげました。)
 瑕疵(かし、と読む。あとから分かる欠陥。)がきわめて多いのも、僕としては、この役所の申請制度が関係していると思います。

 住宅の完了検査も受ける必要がありません。
 「検査を受けろ」と法律に書いてはあるものの、受けなくても大きな実害がないので、完了検査を受けない人も多い。
 (最近では、完了検査済み証が無いとローンが組めない場合があります。ですが、ローンメリットと違反メリットを比較して、違反の方が得策だと判断し、ローンを組まず、完了検査を受けない人も多いのです。)

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 書類上で検査をしていて、完成物件に関心のない今の建築「確認」申請は、国民にはたいしたメリットがないと感じます。「確認」審査のあとの完成した住宅は、野放し状態だからです。

 実際の工事現場に検査機関がもっと入り込んで、現場をもっと厳しく検査すべきだと僕は感じています。欠陥や瑕疵を根本的に無くすべきです。
 欠陥行為を二回行ったら業者は前科一犯・・・くらいに住宅制度を厳しくしたら、疑心暗鬼の日本の住宅はもっと健全になると思うのです。 

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 疑心暗鬼な欠陥建築体制の上に、うまくのっているのがブランド力のある住宅メーカーです。
 ブランド力があるから安心(欠陥がない)だと思わせて・・・価格が高い戦略を続けることが可能となっています。
 もし、役所が住宅の完成形にも責任を持つようになれば、どのような住宅であれ品質に問題がなくなるので、価格は下がると思われるのです。

 そもそも、人の基本的権利である住宅に「ブランド」の安心が取りざたされること自体がオカシイ。
 また、僕たち建築家に依頼する住宅の方が安心である、という風潮もオカシな現実だと言わざるを得ません。
 安心できる住宅は、国が責任をもっと持つべきだと思います。

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 そいう意味で、前回採り上げた違反建築物の増築申請を・・・合法を目指して確認申請を行う場合、役所は拒否できないはずなのに、役所は積極的ではありません。
 つまり、「確認」申請であるものが・・・、「許可」申請になりつつあり、そのじつ「許可」申請だと責任が生まれるので、やっぱり確認申請だと逃げ道をつくり、日本の実態住宅は欠陥、瑕疵であふれかえっている。

 これは行政が悪い、と僕は思い続けています。

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