可変住宅という間取り

 どうして可変住宅のことがときどき話題になるのかというと、人の人生は長いからです。

 最初に建てた家はライフサイクルによって家族構成が変わります。新婚二人だったときの家も、子どもが生まれ大きくなり、どこかの時点では間取りを変えた方がいい・・・という場合があるからです。

 もうひとつ理由があります。
 しっかりつくった家は人の人生より長く建ち続けることができるので、別の人がその家を所有した場合、間取りは多少変えることができる方がいい、という理由です。

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 可変住宅でよくある考え方は次のようなものです。
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 左の間取りは部屋が区切られているので、ライフサイクルの変化にたえられないのではないか、というものです。
 そこで、区切るのは最小にして大きな部屋をつくり、家具などで仕切る、みたいな考え方が可変住宅には多い。

 部屋を大きくつくっておけば仕切り方は自由である、という考え方。
 僕もずっとそう思っていました。
 でも・・・その間取りを見ると、何だか引っかかるみたいな気持ちが続いていました。

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 一度、石造りの間取りをつくってみようと考えたことがあります。
 すると石造りの部屋は構造上あまり大きな部屋をつくることができません。一辺の長さが4m強ほどの四角形の部屋を組み合わせるようにして間取りをつくりました。
 石を積み上げていくわけですから上下階の壁の位置はほとんど同じ、かなり単純な間取りです。(現実に建てた住宅ではありません。)
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 このとき僕は大発見をしました。
 石造りの壁で頑丈に仕切られているものの、ライフサイクルの変化に対応できるのはこの間取りの方がうまくいく、という点です。
 部屋の仕切りを動かすのではなく、人が動けばいい・・・この間取りをよく見ると、キッチンも食堂も、居間も、どの部屋も同じような大きさなので、どの場所にでも配置できるし、親を引き取ろうが、子どもが大きくなろうが・・・そうとう融通が利くという感じです。

 また、間取りが単純なので誰だって住まいこなせそうです。つまり家を他人に譲ることも可能。
 まさしく社会的にストックになる家。社会変化があっても100年や200年は住めそうな家です。

 そこで思いました。
 可変住宅というのは、間仕切りが動くのではなく・・・人が動けばいい。
 それには一定程度の広さのある単位が連続する方がいい、というものです。

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 ここでおさらいです。
 (1) 家はライフサイクルで変化する。
 (2) 家は次世代に譲ったり、他人に転売できる・・・社会的なストック。

 この間取りを見ていると、ヨーロッパの古い家のような感じもします。きわめて単純で、誰にでも適合できて、伝統的に引き継がれるような・・・。
 街並みも感じさせます。

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 しかし、住宅面積は1階・100m2、2階・1002・・・計200m2(約60坪)の大きさ。私たちが考える家よりやや大きいので非現実的です。

 次回はこの間取りを現実解に落としたものについて書いてみようと思います。

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