可変住宅という間取り-2

 
 前回、可変住宅を書いたときは次のような間取りを採り上げました。
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 部屋がある程度の広さの単位で成り立っているのなら、間取りを動かさなくても人のライフサイクルの変化に建物側が合致できるのではないか・・・という内容でした。

 今回はそれを現実解におとしたものです。
 面積は1・2階とも67m2(約20坪)なので、合計面積134m2(約40坪)の住宅です。これなら私たちの手に届く間取りです。
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 似たような大きさの部屋が並んでいます。
 どの部屋も同じような広さなので(特定の部屋に個性がないので)家族のライフサイクル変化に対応しやすくなると思われます。
 下の間取りでは家で仕事をするSOHO型を想定した場合です。
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 一見すると家の間取りには変化がないので、何も変わっていないように見えますが、使われ方(用途)が変化するのです。

 日本の戦前(第二次世界大戦以前)の住宅は、部屋に明確な名称がありませんでした。
 居間とか、食堂とか、子ども室とかの名称を使わず、奥の間、次の間、座敷・・・みたいな言い方だったので、用途が明確ではなかったと思います。
 だから、子どもが一人増えたりすると突然、勉強部屋が移動させられるみたいなことが起きて、家族が変化に対応して部屋を移動していました。
 そういう家族の変化に対応する家づくり(可変住宅)は・・・昔の方がよくできていた、と考えられます。

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 では、どうして今の日本の家はそうなっていないのかというと、アメリカ型の用途限定の間取りになったからだと思われます。(居間、食堂、子ども部屋、夫婦寝室など、名称と機能が部屋に与えられた。)
 10年ほどのスパンで考えると、用途限定間取りはその間使いやすいからだと思います。
 例えば子育て中の家ならば「子ども室」という部屋は使いやすいのですが、子どもが成人になって家を出ていくと、「子ども室」の使い方はむつかしくなる、といった例です。
 テーマに特化した家は使いやすいのです。 

 しかし、アメリカの人は用途限定の家に住むけれど・・・自分のライフサイクルに見合った家にその都度移転するという傾向があります。
 家族が増えると以前の家を転売し、人数に見合った家を再び購入するとか、地位に見合った家や地域に移転するのです。
 (ここが日本の・・・自分の土地に生涯住み続ける、といった考え方と異なるところです。)

 日本の場合は、同じ土地に居続けるので一つの家でライフサイクル変化に対応しなくてはならないのです。
 ビルド&スクラップという、壊しては建てる、建てては壊すといった戦後日本の短命住宅は、ある意味で同じ土地に住み続ける私たちの要望にそうものでした。
 それは家族構成が変われば、また建て替えればいいという考え方でした。
 しかし、今は少子高齢化で日本には国力がなくなっています。普通の人は家をそう簡単に建てられない時代です。

 (解説:戦後の日本住宅の寿命は約27年とすざまじく短いものでした。30年以内に家を建て替えるという考え方が一般的でした。ところが、それは合理的でない・・・海外の住宅は100年ほど建ち続けているというのに・・・。それを大きく考えると、だから日本の文化や伝統、街並みは継承されにくいのだという議論まで出ました。)

 そのような意味で、長く住める家は(用途)可変住宅だと思われます。
 戦前には仕組みができていた。
 しかし、今は仕組みが無いので、あたらしい考え方が必要なのだと思います。

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 さて次の間取りは母親を引き取った場合です。若夫婦も高齢になり、夫婦は別々の部屋で眠る方が安眠できるということになり、その要望に対応しています。
 ちなみに一番下はこの住宅の外観です。
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 部屋の用途が変わる可変住宅は部屋が無個性であるために、どの窓も同じような窓になるというのが外観の特徴です。

 (これらの間取りはまだ考え中です。気持ちとしてしっくりこない面もあり改良しています。)

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この記事へのコメント

おがっち
2013年03月09日 11:31
同じようなことを思っています。できるだけ安くできるだけ希望をかなえるよう無駄を省いてゆくと、ゼロ戦のようにその時は最強でも変化に対応できない。変化に対応できるのはちょっとヌボーっとした間取り。どっちがいいのかはわかりません。
2013年03月18日 03:56
 おがっちさん、こんにちは。
 ヌボーっとした間取りは・・・僕はゆるい間取りだと考えています。
 どっちがいいのかはわかりません・・・というのは、僕も迷っています。多くの人が長寿命住宅について考えると次第に方向が定まるのではないかと思っています。
 コメントありがとうございました。
 

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