言葉があると間取りはつくりやすい
住宅の間取りは何となく漠然とできるものではないと思います。
言葉という概念がないとできない。
もし、シューズインクローゼットという言葉を知らなかったら、玄関の脇に靴を入れるためのクローゼット部屋を思いつくのに時間がかかると思います。
キッチンバルコニーという言葉も、その言葉を知っていれば2階にキッチンがある場合、勝手口のようなドアを設けバルコニーをつくると・・・そこにゴミバケツが置けるようになる。そんな選択肢がひとつ増えると思います。
住宅にもスーパーマーケットのようなバックヤードが必要です。
設計者っていうのはそういう言葉や概念を多分・・・多く知っている。
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半戸外という言葉があると、外なのに屋根がかかっていて雨に濡れない場所が生まれ、そこに自転車が置けるようになるし、洗濯物も干せるようになるかも。外に、雨に濡れた自転車が放置されたかのように置かれている状態は・・・間取りとして貧相でさみしい。
・ 廊下に本箱
・ 廊下で収納
・ 半分壁
・ 天地丈ドア
・ 囲まれたバルコニー
・ 室内で干す
・ 引き戸で光と通風
・ 身近収納
・ 視線を飛ばす
・ コーナーを開く
・ コの字配置
・ 浅い棚
・ 玄関はフラット
・ ノイズの有る無し
・ 回遊式間取り
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僕はこんな言葉をいくつも持っていて言葉に照らし合わせながら間取りを考えていきます。
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先日、旭化成ヘーベルハウスの間取りを見ていたら「+NEST(プラス・ネスト)」という言葉に出会いました。
NESTは巣の意味。
子どもたちがキッチンの傍で勉強をしたり、お絵描きをしたりする空間らしい。なるほどと感心させられました。
多分、それは「頭の良い子が育つ家」という本がずい分昔にあって、その考え方に近いものだと思いました。
子どもはお母さんとの会話の中から学んでいく、という概念です。
もし、+NESTという言葉を知らなかったら・・・家事コーナーのように設けられる、子どもの勉強(遊び)コーナーは設計しにくいだろうな、と思うのです。
おそらく、言葉は間取りに関係するだけではなく身近な自分の行動の大部分に関係していると思います。
言葉があると・・・行動しやすいし、考えやすい。
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