100通りの近隣苦情-3-(排気)

 意外に多い近隣苦情は「排気」です。
 空気の流れは目に見えないので、建て主も、設計者も、見落としがち。
 当事務所で発生した事例を挙げてみます。

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 ■ キッチン排気
 前回のblogで近隣苦情を受けた建て主が、
「お互いさまでしょ・・!」
と、逆に怒鳴り返したら苦情が納まった、と書きました。
 キッチン排気はよく起きます。
 少しだけ気にかけることで問題は減ると思います。

 近頃のキッチン換気扇は壁付けではありません。(下図)
 (三菱電機カタログより)
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 排気は天井内をダクトで通すので、排気方向を選択できます。(下図・赤or緑)
 絵は東面と、北面への、2方向の選択を示しています。(苦情の出そうな方向を避ける。)
 この考慮は行った方が良いと思います。(とくに密集地。)
 (トラブルになりそうな隣家については設計者に伝えた方がよい。)
画像

 排気は他にトイレ・浴室があり、上記のような「ダクト排気」が可能です。

 隣家から言われない・・・と思っても、念のため注意した方がよいです。

 ■ 湯沸し器の排気
 境界線ギリギリに設置し、隣地方向に排気すると・・・苦情率は上がります。
 湯沸し器の設置場所を変える・・・、横吹き型にするなど、当初から考慮します。
 湯沸し器はON・OFFの都度に着火音、運転音がします。(これにも注意です。)
画像

 上図の場合は隣家の玄関先に設置した場合。
 絵の中央に湯沸し器が見えています。
 かなりの確率で苦情が来ます。

 ■ エアコン室外機の排気
 配慮は湯沸し器と同じです。

 湯沸し器やエアコン室外機の苦情の裏には
 「その場所に置かれると見苦しい、美しくない」
という心があると思われます。
 美的感覚に対して苦情は言いにくい。そこで実害である「排気」が苦情の原因になるのではないかと思います。
 設備機器は裏側に配置しがち。
 我が家の裏側とは隣家の正面であることがよくあります。 

 ■ 塀の風通し
 高さ1m20㎝のブロック塀を隣地境界線に建てました。
 隣家の苦情は
 「風通しが悪くなった」「穴あきブロック塀にしてほしい」

 苦情は完成してから言われるので困ります。
 改善するためには塀を一部壊す必要があり、建て主と相談の上、この苦情は「突っぱね」ました。

 ■ 暖炉の煙突からのケムリ
 本物の燃やす暖炉です。
 近くの隣家とは30mほど離れていましたが、設計中に暖炉案は中止しました。
 万が一、ケムリの苦情がくると燃やせなくなるからです。
 暖炉にかかる費用は煙道を含めると100万円以上。使えなくなるリスクが大き過ぎると判断しました。

 ■ 積雪(雪止め)
 排気とは直接関係はありませんが、落下した雪が「飛び散る」。
 そんな苦情もありました。

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 窓問題は皆が気にしているので、設計中に気づくものです。
 「空気の流れ」や「排気」については忘れやすいと思います。

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 苦情問題について書きましたが、書いているうちにメゲテしまいました。
 これまでいろいろな苦情を経験したので思い出すのが嫌な気持ちです。
 しかし、住宅建設では重要なポイントになります。
 
 次回は楽しいことを書きたいものです。

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