お客様が大切だという視点
お客様を大事にしよう、お客様の視点で考えよう、という考え方が広がっていると思います。
あるレストランは予約客の二人の名前を聞いておき、あらかじめテーブルナプキンに名前を刺繍しておくのだそうです。当日は、さりげなく・・・(でもよく見えるように)そのナプキンをテーブルに置いておく。(各自、持ち帰ることができる。)
自分専用のナプキンが用意されていることに客は驚き・・・
「こんなことまでしてもらえる・・・」
「お客様を大切にしてくれている・・・」
感激するそうです。
最近の風潮はそういうことがお客様の満足度を上げることらしい。その店はリピーターがものすごく多い。
レストランの本業は味です。
それなのに刺繍の方が満足度が高くなるという付加価値の時代。
本末転倒です。わたしたちは軟弱になってきたと思います。
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住宅も似たようなことが進んでいます。
新築した10年後、20年後の家の満足度の方がよほど重要なのに、営業マン教育を徹底させて・・・挨拶のうまくできる方法を教育したり、笑顔のつくり方を指導したり・・・。(これらはまったく目先の話しです。)
お客様の(ご)希望を丸呑みすることが満足度の高い家づくりにつながると考えられています。
そういうことが「お客様の視点で住宅を考える」・・・ということになった。
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だったら専門家である建築士は要らないだろう。
お客様より、建築士の方が・・・雲泥の差、知識も経験も豊富です。
それなのにお客様は希望を言い続けます。
お客様は住宅を建てた経験がまるでないのに言う権利?があるかのごとくです。(もちろんあるのですが・・・。)
それは・・・「お客様を満足させない」設計士や住宅メーカーは「悪だ」と思われているからだと思います。
言うことを聞いてくれないのなら、他メーカーに依頼する・・・。
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お客様を(表面的に)満足させる昨今の家づくりは、10年後・20年後の家をよく見据えていないと感じます。
また、専門家の地位を下げることになり、ひいては国力を下げるのだろうなと思います。
そもそも客ではない設計者や営業マンが「お客様視点で考える」ことなんてできないことです。
そんなことは嘘である以上、専門家は王道を進み、お客様に媚(こ)びないことだと考えています。
専門家は自分の考えていることをしっかり伝える。お客様の嫌がることでも、遠い将来、お客様のタメになることならそのことを勧める。
お客様視点ではなく、専門家の視点がやっぱり正しい、と思っています。
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